SF名文句・迷文句第163集

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今日、われわれが文学に必要としているのは、広大なる哲学的展望である…マストの先、飛行機から見る水平線である。われわれが必要としているのは、最も究極的で最も恐怖にみち、かつ最も恐れを知らない”なぜ”と”次はなにか”という問いなのである。

 出典: アーシュラ・K・ル・グウィン「夜の言葉」(山田和子訳)よりエフゲーニイ=ザミャーチンの言葉

紹介 :TWR 様
HP :

コメント:
 これはサイエンスでもなければ、フィクションでもない、文学論です(魂の中のスターリンの一節,ル・グィン「夜の言葉」より引用)。
 でも、SFを読む理由としてこれ以上のものが有るでしょうか?

駄弁者:
 たぶん、SF以外の文学でもこれを言うことはできるのかも知れませんが、SFは一番ストレートに問うことができるジャンルなんでしょうね。
 出典がザミャーチンのどういう作品(あるいは講演など?)で使われた言葉なのかがわかればいいのですが…。



地球の生き物が…… 頼んだのか……?

 出典: 富野喜幸監督「無敵超人ザンボット3」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 詳しい説明は既出のようなので要点だけ。
 地球人を「悪」の一言で片付けてしまっているガイゾックとしては、神ファミリーが命を懸けて地球の為に戦うという事が理解出来なかったようです。
 ドラえもん等とは違ってプログラムされた以外の事象には対応出来ない、それこそただの機械に人類の事をとやかく言われる筋合いはありません。

駄弁者:
 人間爆弾とかしかける相手に善悪を規定してもらいたくないものですが。
 「悪」の一言で片付けられる相手には何をしてもいいと、それこそ機械的に判断してのことなのかもしれませんが…いや、こういう思考は機械に限らないか。



「ぼくらのことも忘れてしまう?」
「いや 忘れたりするものか」

 出典: 聖悠紀「超人ロック 流浪」

紹介 :きょん 様
HP :

コメント:
 ロックの息子(クローン)テオとロックの会話。
 ロックの子ども(クローン)たちのうち2人が老衰で死に、後の2人の肉体にも異変が現れる。
 不老不死の定めを背負ったロックは愛した人々を見送り続けなければならない。それがどれ程の苦しみなのか想像することも出来ませんが、せめて永遠に彼の中で生き続けるであろう愛した人々の思い出が、孤独を和らげてくれたらと願わずにはいられません。

駄弁者:
 こういう場合思い出は、癒しになると同時に孤独感もまた増幅してしまうものなんじゃないでしょうか。
 一方、見送られる方にとっては大きな慰めですよね。不老不死の存在が永遠に自分のことを記憶に留めてくれるというのは。



「よく見ておくんだよ」
「はい!」

 出典: 聖悠紀「超人ロック 虚空の戦場 PART9」

紹介 :きょん 様
HP :

コメント:
 ロックの友人ラグとレマはかつて世界を滅ぼそうとしたライガー教授が作ったロックのクローン達と出会う。ライガーはコンピュータコントロール可能なエスパー戦士の生産を考えていたのだ。ライガー亡き後はコンピュータに従っていたクローン達にレマはロックを父と教え、保護して人間の子供として養育した。
 これは艦隊戦を止めるためロックが子どもたちに戦艦のハイパードライブ回路を操って、戦艦を彼方の宙域に飛ばす方法を教える場面です。
 それにしてもエスパーは話が通じるのが早い。突然「君の子どもたち」と紹介されてもあっさり受け入れ、“父”として振る舞うとは。普通なら子供を我が子として受け入れるまでで一本の物語が出来てしまうところでしょうが。見掛け上は10才ぐらいしか違わない子どもたちがロックをパパと呼ぶ姿はほほ笑ましかったりします。

駄弁者:
 一瞬で相手を理解して受け入れるか、逆にそのせいで相容れない関係に陥るかのどちらかでしょうね。人間ができていないと後者の方があり得そうな気がします。
 しかしクローンというのは、親子関係でとらえるよりも兄弟に見立てた方が受け入れやすいと思うのですが…。体細胞クローンは、歳の離れた一卵性双生児みたいなものですし。



本気で月に行こうって考えたんだろうね

 出典: ポルノグラフィティ(作詞:ハルイチ、作曲:ak.homma)「アポロ」

紹介 :そうや 様
HP :

コメント:
 初めて投稿させて頂きます。いつも楽しく見させて頂いています。ここの名文句から読む本を決めたりしています。
 この歌詞の直前が載せられていましたが、こちらのほうはなかったので投稿させて頂きました。
 今は月にも宇宙にも行けるとわかりますが、当時の人にとっては嘘のような話で、でもそれ目指して頑張ったたくさんの人達がいて成し遂げたと思うとすごいなぁと感じます。
 この月の部分、〇〇となんでも置き換えられますよね。
 今アシモフ先生のロボット物読んでいるので「本当に外に、宇宙に行こうって考えたんだろね」とその時代なら言えるかな?とか考えてしまいます。
 ところでアポロ11号は疑惑もあるらしいですが本当に月に行ったんですよね…?

駄弁者:
 本当にその気になれば行けると分かっているのに、一向に行く気配がないものだから、エイプリルフールネタを真に受けた疑惑が出てくるんです。
 ところで前の「アポロ」からのご投稿は、今回の歌詞の直前とは別の箇所では?



お前等、ゴジラ倒さねぇか?
歴史に名が残るぞ

 出典: 山下賢章監督「ゴジラVSスペースゴジラ」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 「ゴジラVSビオランテ」でゴジラに抗核バクテリアを打ち込んだ際に殉職した権藤吾郎一佐の親友であった元自衛官・結城晃は仇討ちの為ゴジラの住むバース島に単身赴き、ゴジラを監視しつつも戦いを挑む毎日を送っていました。
 そんなある日、左遷同様の人事により新城と佐藤という2人のGフォース隊員がバース島へ赴任してくる事となり、結城は島に到着した二人にゴジラを倒そうと誘うのでした。
 ……ゴジラを倒すのは勿論人間などではなく、スペシウム光線を受けて爆殺されるのだと! 私は死ぬまで信じ続けるつもりです。 

駄弁者:
 スペシウム光線の出どころは、「全力を尽くした人類に与えられる、『奇跡』という名のささやかなボーナス」だそうですから、倒す努力はやっぱり必要なのですが…。
 しかし本当に人間に倒されてしまっては、日本の学会ではゴジラと認定されないかもしません。



擬態だ!
みんな逃げろー
捕獲されるぞー!

 出典: coco「今日の早川さん『いい人釣れるかな?』」(http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/20061020/p1)

紹介 :power_of_math 様
HP :http://blog.yahoo.co.jp/power_of_math

コメント:
 素材は決して悪くない。今まではただお洒落に興味がなかっただけだと、このシーズンは文学少女なぞ気取ってみることにした早川さんに、岩波さんが浴びせた一撃です。
 「いつか向き合う日が来るさ」から「続き」に到る帆掛さんの言動の方が“擬態”にふさわしいだろうし、「泣かされはしなかったけど」「無関係な行事」を見ると岩波さんも非モテー系なのですが…。

駄弁者:
 アマゾンのブックカバーに隠している本の著者がマレイ・ラインスターだという時点で、擬態と言われても仕方ないです。そういう人の方が…という少数派もいるでしょうが、それだと捕獲する方が願い下げでしょうし。
 ところで「いつか向き合う日が来るさ」にある、「諦めと希望が混沌と渦巻く胸の内を極力刺激しないようにしつつ、とりあえず難問は先送り。」という一節、ひどく耳に痛いです。



「お前の落とした本は左手の銀背か?
 右手のサンリオSFか?
 それとも私の脳天に突き刺さっているS-Fマガジンかな?」
「全部に決まっているだろ!」

 出典: coco「今日の早川さん『嘘はいけません』」(http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/20070430/p1)

紹介 :power_of_math 様
HP :http://blog.yahoo.co.jp/power_of_math

コメント:
 SFマニアの早川さん、ホラーマニアの帆掛さん(創元推理のホラーは帆船マーク)、純文学好きの岩波さん、ライトノベル好きの富士見さん(参照)がおりなすwebコミック『今日の早川さん』からです。
 相手が泉の妖精であろうとも、珍しい作品ならもぎ取ろうとするのはSFものとしては当然のことかも知れませんが、これではもてなくても仕方がないかと…。
 それはともかく、このシリーズ、書籍化が決定したそうです。それも早川書房から。

駄弁者:
 掲載する頃には書籍版の発売時期も分かってるだろうから、遅れついでにそれに合わせようかとも考えていたのですが…まだのようなので、順番どおり掲載させていただきます。発売記念には、また別のご投稿を期待して。
>全部に決まっているだろ!
 本のレーベルを変えれば、登場するどのキャラでも同じ話が成立してしまいそうなのが、業の深いところです(笑)。



綿いっぱいの愛を怒りに代え!
布やぶれ! 綿もはみで! 糸ほつれ体もげてさえ!
ボタンの瞳にかけて、命をかけて守ってみせよう! 正義と、君を!!
そう、わが名は友情の戦士……
縫製人間!
ヌイグルマアアアアッ!!

 出典: 大槻ケンヂ「縫製人間ヌイグルマー」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 遠い昔、はるか宇宙のかなたで…
 故郷の星を失った綿状生命体の群れが、あてのない旅に出ました。地球にたどり着いた綿状生命体たちは、タイのぬいぐるみ工場に舞い降り、ぬいぐるみの中に身を潜めます。
 黄色い熊のぬいぐるみに宿った綿状生命体は、日本の高円寺のおもちゃ屋に出荷され、姫子という四歳の少女へのクリスマスプレゼントになり、ブースケと名づけられて無償の愛をそそがれます。ブースケはボタンの瞳にかけて姫子を守ると誓います。
 一方、黒い熊のあみぐるみに入った綿状生命体は、アメリカに送られ、フィルという少年の元に渡り、チャーリーと名づけられます。父に自殺され、引き取られた伯父に虐待されて瀕死の状態のフィルを救うため、チャーリーはフィルと合体。その憎しみを受け継ぎ、ボタンの瞳にかけて社会への復讐を誓います。
 やがて、高校生になった姫子とブースケに次々と襲いかかる異形の怪人たち。死霊の阿波踊り。マッド・サンタ。超能力少年キル・ビリー。赤ちゃん人間。片腕ロリータ。
 そして、かつて再会を誓った友であるはずのあみぐるみ戦士チャーリーも敵としてブースケの前に立ちはだかります。  戦いの中で命を落とした一人の少年と合体し、縫製人間ヌイグルマーとなったブースケは、彼が憧れた昭和の特撮ヒーローたちに倣い、かっこよく(?)見栄を切りながら名乗りをあげます。
 星雲賞受賞作家オーケンがおくる熱血ぬいぐるみヒーロー小説です。最初は「ぶはは、バカだ、バカがいる」(褒め言葉)と思いながら読んでいたオイラですが、後半の怒涛のような燃える展開に圧倒され、最後は不覚にもちょっぴり本気で感動してしまいました。

駄弁者:
「布やぶれ! 綿もはみで! 糸ほつれ体もげてさえ!」のフレーズがなんか名調子。
小さいころ妹がもっていたぬいぐるみで、長いこと可愛がられた(もて遊ばれた?)末、この言葉どおりになったやつがありましたが…、持ち主(と惨状に一役買ったその兄)を、命かけて守ってくれるだろうか?。



大一方一矢(大一はまさに一矢)
小乙之一世(小乙はこれ一世)
美人老去也(美人老いて去るなり)
玉兔映君宝(玉兎君宝を映す)

大一方一旦(大一はまさに一旦)
小乙之一代(小乙はこれ一代)
美人老去也(美人老いて去るなり)
冬夜哀矣哉(冬夜哀しいかな)

小乙之一生(小乙はこれ一生)
大一方一匆(大一はまさに一匆)
美人老去也(美人老いて去るなり)
北雨南更風(北は雨南は更に風)

 出典: 張系国「最初の公務」(三木直大訳)  『星雲組曲』に収録

紹介 :司書の駄弁者
HP :

コメント:
 下と同じ作品より。裁判官の命令で「風月道主」を見つけなければならなくなった君山は、道端で盲目の道士と出会う。道士が詠っていたこの詩に君山はいたく感心したのだが、そのわけは…。
 下のかんきちさんのコメントでも出ていた「漢詩で円周率を念じる道士」です。三つの連とも各文字の画数を数えると、
31415
31415
92653
58979
…と、円周率の数字に対応しています。詩そのものは良いのか悪いのかさっぱりですが、この仕掛けはいかにも中国ならではと気に入りました。



(1) ロボットの頭脳はケイ素でできている。そのためロボットは「浄土にかえる」ではなく「ケイ素にかえる」という。また、「駕して仙境にかえる」ではなく「駕して硅谷にかえる」という。『ロボット大辞典』参照。
(2) ロボットは祈るに際して、「天にましますチューリング様」という。チューリング(Alan Mathson Turing)は、中古二十世紀の論理学者。ロボットは知力をもつことができるという理論を最初に提唱した。
(3) ロボットは二本の手と四本の足をもっている。そのため「五体投地」ではなく「七体投地」という。

 出典: 張系国「最初の公務」(三木直大訳)  『星雲組曲』に収録

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 台湾のSF作家・張系国の短編集より。民明書房みたいなノリですな。
 内部にヒッグス場を作り出す風月瓢箪とか、漢詩で円周率を念じる道士とか、自分たちのことを食砂族と呼ぶロボット(人間は食肉族)とか、ロボットに造られたロボットが創造主をお師匠様と呼んだりとか、SFというより西遊記か封神演技を読んでいるような気になります。

駄弁者:
 冤罪で殺人に問われたロボット・君山は、なんとか裁判官を説得して無実の罪を晴らすチャンスを与えられた。しかし72時間以内に裁判官が与えた公務を全うしないと、体内の時限爆弾が爆発してしまう。君山は処刑官ロボットの劉七とともに、泣く泣く任務に就くのだが…。
 ご投稿の文句は作品末にある「原注」より。作品そのもののオチがちょっと弱かっただけに、こっちのお遊びには少しニヤリとさせるられました。



おのれスペースウーマン来おったか。
バレンタインではしゃぐカップルの邪魔をし別れさせ、子供の出生率を下げ人口を減らし、なんやかんやで宇宙を征服するワシの計画を邪魔しに来おったか

 出典: 空知英秋「銀魂」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 バルタン星人(6代目)に匹敵するほど気の長い侵略計画を実行していた怪獣将軍・チェリー大佐。 少将・中将・大将の総称である将軍の別名を持つのになんで大佐なのかは不明。
 そんな彼の侵略計画もスペースウーマンによって阻まれたのですが、その最期はあまりにも哀し過ぎる……!

駄弁者:
 カップルの邪魔をするところから、宇宙を征服するに至るまでは「なんやかんや」の部分がとてつもなく大きいような気がするんですが。



人類なんて、我々から見れば、昆虫のようなものだ

 出典: 円谷プロ制作「ウルトラセブン第1話『姿なき挑戦者』」

紹介 :砂漠の狐 様
HP :

コメント:
 もはや説明不要の感すらあるウルトラセブンのトップバッター、クール星人の名言。  蜘蛛の腹部に目と口がくっついているような宇宙人に対し、全国の子供達が一斉に「お前に言われたくはない!」とツッコミを入れたことでしょう。

駄弁者:
 どんなだったかなと思ってググッてみたら…ああ、こいつか。コメントどおりのツッコミが各所で入れられてました(笑)。
 クール星人自身は昆虫型の生命体から進化したっぽいので、彼らが言う「昆虫のようなもの」とは、地球人に置きかえれば「サルのようなもの」あるいは「小ネズミのようなもの」あたりの感覚なのかも知れません。



「なぜメンバーを生物学者と宇宙物理学者と数学者にした?」
「それらしくカッコついたメンツだろ?」

 出典: バリー・レビンソン監督 マイケル・クライトン原作「スフィア」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 高額なギャラに目が眩み、いいかげんなレポート(異星人の侵略への対応策)を書いたばかりにエライ目に合った心理学者(精神科医)の話です。(………間違ってないよな?)
 かわいそうなのは、「知人だから」メンバーにされた人達です。死んじゃう人もいるし、生き残った人も記憶がワヤになってしまいました。
 あなたも、過去のいいかげんな仕事でとんでもない目に合った事はありませんか?
 それは、他の人達に迷惑を掛けていませんか?
 禍根を残さない仕事を心掛けたいものです。

駄弁者:
 その中では心理学者(精神科医)がいちばん役にたたなさそうなのは、気のせいでしょうか。
>それらしくカッコついたメンツ
 レムのファーストコンタクトものでは、登場人物の個人名がほとんど全く出てこず、「コーディネーター」「ドクター」「化学者」「技師」「物理学者」「サイバネティシスト」という役職だけで最後まで通した作品があったなあ。



歴史的ドキュメンタリー

 出典: ディーン・パリソット監督「ギャラクシー・クエスト」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 あなたの目前に「一緒にコスモクリーナーを取りに行きましょう。」とか、「年貢の取り立てが厳しい代官様を懲らしめて」とか、「ウチにも使徒が」とか、いやいやいや、「討入りの陣頭指揮を是非」とか言ってる「ちょっと怪しい人達」が現れたらどうしますか?  窮地に陥っている宇宙の友達が、「九州沖に沈んでいる戦艦」や「印籠」や「情緒不安定な少年少女」や「陣太鼓」を用意してくれる事が前提ですが。
 もっとも私達に出来る事は「第三艦橋にいちゃダメだ」とか「チリひとつ落ちてない屋根裏の構造」とか「カントクは昔はウルトラマンだった」とか「やっぱりあの47人はテロリストだろ実際」とかのアドバイスだけでしょう。
 どんな「歴史的ドキュメンタリー」が見られているか判りません。
 あなたはどんな「宇宙の友達」に来てもらいたいですか?

駄弁者:
 人気TV番組「ギャラクシー・クエスト」がドキュメンタリーだと思って、「ギャラクエ」の役者たちに助けを求めに来た宇宙人サーミアンたち…。「スタートレック」のパロディで見る人によっては爆笑のSFコメディより。
 「印籠」とか「討ち入り」なら、400年ほど時代を間違えてますからタイムマシンでもつくって出直してください、と言うところなのですが…。第三艦橋付きの宇宙戦艦をもってこられて1年間の旅につきあってくださいと来たら、どうしよう。
 



貴様こそ、ヤン提督の讐だッ!

 出典: 田中芳樹原作「銀河英雄伝説 最終回『夢、見果てたり』」

紹介 :s 様
HP :

コメント:
え〜と、普通にカッコイイな…。
って本編1話から途中経過全部まとめて吹っ飛ばしていきなり最終回見てる俺って…。

駄弁者:
 皇帝ラインハルトの死の間際、地球教徒残党のテロ現場に居合わせたユリアン・ミンツは、師ヤン・ウェンリーを死に追いやった男と出会う。
 小説版だと「貴様こそ」はないんですが、OVAからのようなのでとりあえずそのままで。違っていたら教えてください。
 これを「カッコイイ」というのは、単に感じ方の差なのか、途中を読んでいない(見ていない)せいなのか…。
 テロを明確に否定していたヤンにしてみれば、愛弟子がこういう報復に走ることを決して喜ばなかっただろうと思います。たぶん困った顔をして「ユリアン、ユリアン」と二度彼の名前を呼んだことでしょう。



地球バリアだ!
バリアーッ!!!

 出典: ナントカ「新釈ファンタジー絵巻」

紹介 :WC-Co 様
HP :

コメント:
 地球で暮らすルナリアンの日常を描く4コママンガの最終回。
 ルナリアンかぐやは月に住む父母と一緒に暮らす事を決め、それを地球で育ててくれた老夫婦に告げようとした時、突如地球と月とを隔てる強固なバリアーが発生…しませんでした、ハイ。
 台詞は、突然の別れに怯えるおじいさんの、心の底からの叫びです。
 しかしご安心を、この後、色々(4コマ的オチが)あって大円団を迎えます。
 次号から始まるナントカさんの新連載も、本作の外伝的なお話(かぐやのフィアンセ・ミニ様の羊もとい執事が主人公)なので、その期待も込めて投稿させていただきます。

駄弁者:
「地球バリア」と聞くと、地球(を攻撃から守る)バリアじゃなくて、地球(を盾にしてわが身を守る)バリアを想像してしまうんですが…。



扉へ来るときのおまえたちの重力がどうあろうと、憶えておけ──敵のゲートは下だ。

 出典: オースン・スコット・カード「エンダーのゲーム」(野口幸夫訳)

紹介 :ファゾルト 様
HP :
http://blogs.yahoo.co.jp/fasolt

コメント:
 指揮官としてのエンダーの名台詞です。これ一発で、隊員たちを完全に掌握していきます。もっとも、ビーンから見ると、ひやひやものだったみたいですが。(「エンダーズ・シャドウ」に描写があります。)

駄弁者:
 「The enemy's gate is down.」作品を代表するセリフで来ましたね。ちょっと嬉しいです。
「エンダーのゲーム」では、エンダーは一番有能であることを示すことで隊員を掌握するように描かれていましたが、「エンダーズ・シャドウ」ではちょっと違うようにとらえられていたと思います。…一番有能なのはビーンになってしまいましたし。
 しかし、それでもビーンとエンダーのどちらを指揮官に選ぶかと問われれば、たぶん皆がエンダーを選ぶでしょう。そういう部下をついてこさせるリーダーシップというかカリスマ性は、ビーンはエンダーに及ばないものとして描かれていたと思います。



私よりもつともつと何でもできる人が、私よりもつと立派にもつと美しく、仕事をしたり笑ったりして行くのですから。

 出典: 宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」

紹介 :nox 様
HP :

コメント:
 ブドリが冷害を防ぐために火山を人工的に噴火させる部隊の,最後に残る一人に志願したときのセリフです。
 名文句としてはこちらのほうがふさわしいのですが,実は私はこの後,上司のペンネン技師が自分のほうが高齢だから自分がやると申し出た時のブドリの答,
====
先生、けれどもこの仕事はまだあんまり不確かです。一ぺんうまく爆発しても間もなく瓦斯が雨にとられてしまふかもしれませんし、また何もかも思つた通りいかないかもしれません。先生が今度お出でになってしまっては、あと何とも工夫がつかなくなると存じます。
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というセリフが大好きなのです。ここには,ヒロイズムへの陶酔ではなく,冷静な計算の上で,自分が最後の一人として最適なのだという事実を受け入れた,科学者として/技術者としてのブドリの,見事なまでの覚悟が示されていると思います。
 『グスコーブドリの伝記』をSFとして読む人は少ないかもしれませんが,少なくともこの部分は Scientist Fiction である,と私は力説してしまったりするのです。

駄弁者:
 私が初めてこの作品を読んだのは「銀河鉄道の夜」を目当てに買った本に、これが収録されていたからだったのですが…「銀河鉄道の夜」より、こっちが気に入ってしまったものです。
 コメントで紹介されている他にも、クーボー博士が一人乗りの飛行船を使っていたり潮汐発電所が出てきたり、火山局が窒素肥料を降らせたりと、なかなかそれっぽい道具立てが多かったと思います。



鳥じゃありません!
羽毛がなく牙がある、あんな鳥はいません!

 出典: 金子修介監督・伊藤和典脚本「ガメラ 大怪獣空中決戦」

紹介 :可児歳蔵 様
HP :

コメント:
 “鳥だ”という漁船からの通信を最後に連絡が途絶えた、五島列島の一島、姫神島。
 その一言をきっかけに現場へ引っ張り出された鳥類学者の長峰真弓は、それを機に95年のガメラ騒動に付き合うことになる……。
 その冒頭、長崎県の対策本部に向かう途中、マスコミの取材攻勢に応える形で上のセリフを発しました。さすがに、「怪獣類」などと発言するわけには行かなかったようです。

駄弁者:
 羽毛や牙もさることながら、性転換や単為生殖までしてしまってはねえ…。
>「怪獣類」
 新旧の差はあっても、分類にこだわりたくなる性は共通? 分類できないものを無理に既存の分類に押し込めるのではなく「怪獣類」と開き直ってしまったのは、ある意味正直な態度なんじゃないかと思ったものです。



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