SF名文句・迷文句第119集

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「また会おうぜ ツェン・リー それが…俺達の宿命だ。」
「再見ロストマン… 再見…!!」

 出典: 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
神舟6号打ち上げ記念
 今はまだ「地球周回」の段階ですが、それほど遠くない将来中国は「宇宙ステーション」を建造するでしょう。当然そこには「攻撃兵器」があるはずです。そしてそれには「パイロット」が…。
 うーん、なにかこう一気に「宇宙戦争」の現実味が増してきました。

駄弁者:
 記念ということなんで早めに掲載。
 当然そこには「攻撃兵器」が…と言ってしまうのは、どうなんでしょうか。作品では米中で宇宙戦争になっているようですが…。



はるかなる火の山のほとり
大地の亀裂とめくるめく雲海の底に
砕け散り、消え去ったプルートーよ
我と我が生きるべき道を
躊躇いも疑いも恥じらいも憎しみもなく、
ひたすら全うして消えていった
モンブランよ
ノース2号よ
ブランドーよ
ゲジヒトよ
ヘラクレスよ
エプシロンよ

愚かにも飽くなき権勢欲と支配欲を翳して、
仮初めの生命を創造し、
自のが手で滅ぼした人間たちを
彼らは何時、裁くのだろうか…。

 出典: 手塚治虫「鉄腕アトム・史上最大のロボット」(朝日ソノラマ版書き下ろし)

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 コレクションの整理中につまずいた、朝日ソノラマ版『鉄腕アトム』単行本より、『史上最大のロボット』のプロローグを飾る“挽歌”です。
 すでにカッパコミックス版で読んでいた(付け加えれば、『アトム』で最も好きなお話)ので、本編の内容は知っていました。それでも雄大な阿蘇の火口の見開きの上に掲げられたこの『挽歌』の放つ、強烈なメッセージ性に当てられて、感動もひとしおでした。
 今更小生が付け加えることは何もありませんが、敢えて少し補足します。
 現在の『鉄腕アトム』の漫画単行本は、70年代後半にまとめられた朝日ソノラマ版の単行本を底本として使用しています。ここでは全巻になにがしかの書き下ろしがあり、『史上最大のロボット』のそれは、上記の“挽歌”でした(この“挽歌”が初出だったかどうかは不勉強で存じません)。
 この“挽歌”は80年に放映された通称カラー版『鉄腕アトム』の『史上最大のロボット』のエピローグとして使用され、大木民夫さんが朗々と詠い上げています。その後の単行本では『史上最大のロボット』の末尾に収録されていますが、小生の好みとしてはプロローグにあるのが好みです。
 現在リメイク中の『史上最大のロボット』ですが、『PLUTO』でもこの“挽歌”は使われるのでしょうか。

駄弁者:
 浦沢直樹のリメイクは、オリジナルではプルートーと戦って破壊されてゆくだけだったロボットたちにもドラマを与えているので、この挽歌がうたわれるときがきたら、よりいっそうの効果があるのではないかと思います。
 もし使われなかったとしても、リメイク版の物語は、それ自体がこの挽歌を体現しているのではないでしょうか?



もし俺が死んだら、ジェミーはどう思うかな
…(中略)…
泣くだろうな…でも、すぐ忘れちゃったりして…そして、すぐに別の男と結婚するんだ。しかも、その相手は暴力を振るう最低野郎かもしれない…可哀想なジェミーは、夫に隠れ、泣きながら俺の写真を見るんだ
…(中略)…
死なん!絶対に死なんぞ!!

 出典: コナミ制作「SNATCHER」

紹介 :検索の渡り鳥 様
HP :

コメント:
 コナミの名作ゲーム、スナッチャーより抜粋。暴走する車の中に閉じ込められ、想像するの選択肢を選んだ時の主人公ギリアンのこのセリフ。妙にリアルかつ行き過ぎた想像の結果に、隣にいた相棒のメタルギアMRKU(メタル)に絶句かつ無言のツッコミをされているのが笑!

駄弁者:
 かような幻想(妄想)があるからこそ、男は強くあれるのです…? はたからみて喜劇なことが多分にあったりしますが。
 主人公に別居中の奥さんがいるというリアルな(かつショボくれた)設定も、当時としては結構珍しかったんでは。



「この乱れた世界を見ても?殺し合ったり憎み合ったりしている人間たちを見ても?人は神なしで正しく生きることが可能だと、お前は信じるのか?」
「ええ」私は強くうなずいた。「私は信じる」
「それがお前の信仰か?」
「ええ」

 出典: 山本弘「神は沈黙せず」

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 主人公・和久優歌の身の周りで超常現象が起き始めた。7角形のボルト。スプーン曲げ。アダムスキー型UFO。空から降ってきた赤ん坊。月に現れた神の顔……。それらは全て、神からのメッセージだった!
 SF作家であり、と学会会長でもある山本弘先生だからこそ創り上げることができたセンス・オブ・ワンダーの世界。500ページ近い分厚い本なのですが、全く予断を許さない濃い内容で、グングンその世界に引き込まれてしまいます。傑作です!
 上の名台詞は読んで感動しました。そう、神なんかいなくてもかまわない。人は自分で考え、自分の意思で行動する力を持っているのだから。僕は山本先生にそのことを教えてもらいました。

駄弁者:
 「トンデモ本の世界」の小説バージョンという印象もありましたが、確かに最後まで面白く読める作品です。
 作品そのものもさることながら、主人公のお兄さんが開発している(そして物語の重要な要素にもなっている)進化シミュレーションゲーム「ダーウィンズ・ガーデン」、私はプレイしてみたくてしょうがないんですが。



そうだよ。でも、だからこそ現実にしたいじゃない。ホントはきれいごとがいいんだもん。これでしかやりとりできないなんて、哀しすぎるから。

 出典: 石森プロ制作「仮面ライダークウガ」

紹介 :かんきち 様
HP :

コメント:
 古代遺跡から復活した謎の怪人集団グロンギ族。目的も正体も一切不明な彼らはゲゲルと称する殺人ゲームを開始し、一般人を無差別に殺害し始め、警察から未確認生命体と呼ばれるようになります。遺跡から発掘したベルトが体に融合したために伝説の戦士クウガに変身する力を得た青年・五代雄介は、彼の正体を知る一条刑事の協力を受け、未確認生命体との戦いを開始します。みんなの笑顔を守るために。
 雄介の行きつけの喫茶店ポレポレのウエイトレスの奈々は、女優になる夢をかなえるために叔父であるマスターのおやっさん(これが役名)を頼って京都から上京して来た少女です。ある日、オーディションに行っていた彼女が沈んだ様子で帰ってきて、「誰かを殺したいと思ったことある?」と、おやっさんに尋ねます。
 「そりゃあるさ。でも殺さなかった。当たり前だよな」と答えるおやっさん。それを聞くなり奈々は店を飛び出してしまいます。おやっさんに言われて奈々を探していた雄介は、公園に一人で佇んでいる彼女を見つけ、理由を尋ねます。
 彼女には、未確認生命体に殺されてしまった大好きな演技の先生がいました。その公園で練習する彼女をいつも叱ったり励ましたりしてくれたのです。先生のためにも何としてもオーディションに合格したいと思っていた彼女に、最終審査として出された課題は「大切な人を目の前で未確認生命体に殺される」という演技でした。何もできなくなってしまった彼女に、一緒に受けに来ていた少女がこう言います。
「良かったじゃない、先生が死んだこと、役に立ったね」
そこまで語って号泣し、「こんだけ言われたら、殴りに行ってもいいですよね!」と言う彼女を諭そうとする雄介。
 そんなきれいごとばかりじゃ気が晴れないと言う奈々に対して、雄介が自分の拳を見つめながら言った言葉です。

駄弁者:
 きれいごとをただ単に「タテマエ」「偽善」として切り捨てるのは、私もよくないことだと思います。
 けどこの場合、2、3発殴るぐらいは十分許容範囲だと思えてしまうなあ…。



男なら誰かのために強くなれ
女もそうさ、見てるだけじゃ始まらない。
どれが正しいって、云える勇気があれば良い
それだけできれば『英雄』さ

 出典: 徳永暁人作詞作曲・doa歌「英雄」(ウルトラマンネクサス主題歌)

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 大好きな作品からの引用が続いたので、精神的バランスのためにあんま好きでない『ウルトラマンネクサス』から。初期主題歌のサビ(後半)です。
 斬新な設定と練り上げられた謎を追う大河ドラマ的な展開、正と邪が繰り広げる目を背けたくなるようなシビアな戦いなど、まぁ『ウルトラマン』としてはちょっと突き抜けすぎてどっかいっちゃった様な作品で、玩具販売計画がタイトな近年では滅多にない“打ち切り作品”となってしまいました。
 でも「男なら誰かのために強くなれ、歯を食いしばって、思いっきり守り抜け」というフレーズは徹底的に前向きで気に入っていました。投稿したフレーズとあわせ、逆風に向かって背筋を伸ばすような、一途に前向きな作品にならなかったことが、非常に残念です。

駄弁者:
 できればそういう「英雄」を志す人には、正しさを押し付けることなく人に受け入れさせる強さも持ってもらいたいものです。
 …ところで、「女もそうさ」というあたり、なんか後付けの配慮っぽいように思えるのは気のせいでしょうか。



「なに?思いがけずおじさんに千円もらったので? 貯金が千三百円にたっし、かねての夢のどっちかをはたそうと思って? カップめん十個いっぺんに食べるほうを選んだ!?バカだなあ」

 出典: 藤子・F・不二雄「ぼくを止めるのび太」  「ドラえもんプラス」1巻に収録

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 のび太の夢……「カップラーメン十個いっぺんに食べる」「車のプラモを買う」……って、いかにものび太らしい夢だこと(とほほ)。
 当然、カップめん10個も食べれるわけがなく、5個目でリタイア。ところがのび太は反省した様子はありません。タイムマシンで過去に行って歴史を変えれば万事解決だ、と言って過去へ行きます。このせいでややこしい事態になります(とほほのほ〜)。
 ところでドラえもんは「みんなが好き勝手に過去を変えたら、歴史がこんがらがっちゃう!」みたいな事を言っていますが、ドラえもんがのび太の運命を変えるために過去に来たのは良かったのでしょうか?もしかして、あまりに野比家が可哀想だからタイムパトロール公認なのかも?

駄弁者:
 カップラーメンとプラモと言うと確かにトホホですが、日常の好物をたくさん買うのと、あこがれていた贅沢品を1つだけ買うのとどっちを選ぶか…と考えると、なかなか選びがたい二者択一にも思えます。
>タイムパトロール公認?
 野比家がというより、ドラえもんがそういう改変の資格をもったロボットとして設計されているとか。



「アインシュタインの理論によれば、物質=エネルギー粒子ひとつひとつが重力ポテンシャル、すなわちラムダを持っており、この四次元連続体の構造をかろうじて支えているのは、そのラムダの総計だと計算できる。したがって、ラムダ一個をとりされば――なんてこった! 宇宙はぱっくりと裂けてしまうぞ!」

 出典: チャールズ・L・ハーネス「現実創造」(中村融訳)  「20世紀SF1 星ねずみ」に収録

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 地球が昔は平らだった!という仰天の設定に失笑。アインシュタイン理論が創り上げたこの世界を原始に戻すための方法(それが上記の台詞)にビックリ。そしてラストのオチに大笑い。
 あの山本弘先生に「究極のバカSF」とまで言わしめた本作は、まさに永遠に語り継がれるに相応しいと思います。

駄弁者:
 「現実」を改変するおそれのある研究を阻止する機関に属する主人公A・プレンティス。監視対象の教授の部屋には地球が平らであるとする古い書物が置かれていた。引っかかるものを覚えた彼は、過去の大学者がなぜ地球が丸いことや、太陽の周りを回っていることなどに気付かなかったを調べ……驚愕の結論に達する。人間がそう認識していた頃には、地球は本当に平らで、太陽が地球の周りを回っていたのだと。そして教授の研究は現在の人間の宇宙についての認識…つまりは宇宙そのものを破壊させるものだということも。…教授を阻止しようとするA・プレンティスと、彼の恋人兼上司Eの運命やいかに。
 パラダイム論(と、人間原理?)を先取りした古典SFでした。オチよりもプレンティスが組織の他の学者と交わす議論のほうが、私には面白かったです。



「それじゃ、グレッグにジェレミーのことを伝えるの、忘れないでね」
「忘れないよ」ラメルスンは、ため息とともに答えた。
朝食の間を出て廊下を歩いていくうち、三十秒後にはもうそのことは忘れて、彼の心はタイタンの問題へ移っていた。

 出典: ジェイムズ・P・ホーガン「造物主の掟」(小隅黎訳)

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 親戚筋から理不尽な要求が出る位偉くなりたいものだ、と思う瞬間は…ありませんよねぇ。
 でも「出世する人」というのは、そういった事もそつなくこなすんですよね。私の場合、理不尽な要求には「忘却」で対抗しているので、なかなか給料が上がりません。ていうか、いちいち話を聞いていたらそれこそ仕事になりませんぜ。

駄弁者:
 土星の衛星タイタンで、機械生命の文明と遭遇した人類。地球側の首脳は、中世程度の発展段階にある彼らタロイドを植民地のように搾取しようとするが、偶然彼らとの交渉にあたることになった「心霊術師」ザンベンドルフはこれに反発し、一世一代のペテンを敢行する…。
 ご投稿の名文句は、ザンベンドルフに引っかき回されつつある地球側首脳のひとりを描いているシーンより。こういう人は、たとえ理不尽な要求を忘却しても、うまいこと誤魔化すすべを会得しているから出世するのかも。



しまった!

 出典: 東宝製作「超星神グランセイザー」

紹介 :しょうたいむ 様
HP :
http://homepage.mac.com/show_time/

コメント:
 初めて送らせていただきます。よろしくお願いします。
 東宝製作の特撮番組より、迷文句です。12の星座の戦士<グランセイザー>が覚醒し、宇宙より襲来する敵と戦うというストーリー。当初、敵宇宙人に騙され、<炎のトライブ>と対立していた<風のトライブ>。炎のトライブのリーダー・セイザータリアスと風のトライブのリーダー・セイザーレムルズは、それぞれの超星神(巨大ロボット)で激しく激突するのだが、レムルズ操る超星神ドルクルスの光線が、誤ってダムを決壊させてしまい…
 というわけで、ダムを決壊させてしまったレムルズこと天才外科医・伝通院先生が発したリアクションがこの台詞です。放映当時、「それだけかよ!」とテレビの前でひっくり返ったものです。突っ込みどころ満載、想像のナナメ上をいく展開が連続するこの作品を好きになったきっかけが、この台詞でした。
 先生、数話後で「民間人を巻き添えにするような無様なまねはしない」発言してしまうのですけどね…

駄弁者:
 まあ、これほど派手でなくても、特撮ヒーローやその巨大メカが、戦った際の周囲の被害を気にしないのは珍しくないですが。この場合少なくとも当座は失敗を認識しているだけマシ?



おじさん「いやー寒いですなぁ」
熊五郎「えぇぇ?あんたも良い度胸だね、こんな生きるか死ぬかって時に暑いだの寒いだのなんて」
おじさん「こいつ(大星獣ゴリアス)のエネルギーは空気中の熱なんですね、きっと。だからこいつがエネルギーを吸収するときには急激に周囲の空気が冷えて、極端なときには雪が降ることがあるんですねぇ」
八五郎「何を考えてるんだろうね、この人は」
熊五郎「梅子ぉぉ、立派な未亡人になれよぉぉ!」

 出典: 千束北男脚本・飯島敏宏監督「怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリアス」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 大好きな『怪獣大奮戦』からもう一つ。
 体格的にも飛び道具でも、大星獣ゴリアスはダイゴロウを上回り、勝ち目はない。おじさんはダイゴロウに火焔噴射を特訓する一方、ゴリアスの電撃を封じるべく決死隊を結成、角に直接熱線遮断フィルタを被せようとする。しかし決死隊は誤ってゴリアスの背中に直接上陸してしまい、動き出したゴリアスの背中で立ち往生。
 台詞はその際のおじさんと熊五郎たちの会話です。
 怪獣は恐い、でも楽しい。
 そのための肉付けの一つとして、科学考証が用いられているのです。
 このシチュエーションに呑気な表情で筋の通った解説を口にするおじさん、それどころじゃない熊さん八さん、ほのぼのしているようでいて、怪獣映画らしい緊張感が感じられます。
 ちなみに、おじさんは犬塚弘さん、熊五郎は南伸介さん、八五郎は三角八郎さんです。  『怪獣大奮戦』は円谷プロの10周年記念劇場作品で、同プロ初のオリジナル劇場版です。
 中身が濃く、怪獣映画としての出来もイイので、もし機会があれば御視聴をお薦めします。

駄弁者:
 SFの名文句集としてはおじさんの解説がメインなんでしょうが、熊さんのオチがなかなか捨てがたい…。



『LOVEなんてSEXの綴りがまちがっただけ』
(Love Ain't Nothing But Sex Misspelled)

 出典: ハーラン・エリスン「LOVEなんてSEXの綴りがまちがっただけ」(伊藤典夫訳)  短編集「世界の中心で愛を叫んだけもの」解説より

紹介 :んどらもえ 様
HP :

コメント:
 ごめんなさい!実はこの本、翻訳されていません(汗)。エリスンの短編集『世界の中心で愛を叫んだけもの』の解説に出てきて、あまりのかっこよさにガツーン!!とやられてしまい、投稿しちゃいました。 現在僕は19歳。背伸びしたい年頃の僕にとって、エリスンの作品およびタイトルにはやられっぱなしです。

駄弁者:
 タイトルだけ妙なかたちで有名になってしまった短編集表題作をはじめ、「“悔い改めよ、ハーレクィン!”とチクタクマンは言った」や「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」など、強インパクトのが多いですよね。ご投稿の名文句(名タイトル)が載っている解説によると、書いた当人も相当インパクトのある人物ですが…。
 しかしこっちは片山恭一の作品名には、ならないだろうなあ。



「とっつぁん、秘密兵器みたいなものはないの?」
《自爆装置のことか?》
「もういい」

 出典: 高橋弥七郎「アプラクサスの夢」

紹介 :師走 一姫 様
HP :

コメント:
 挨拶抜きで初の投稿、誠に申し訳ないのですが、これだけは外せませんので投稿します。他に私が持つSF、神林長平氏の作品は既に挙げられていますので。
 出典元は、「小難しい用語ばかり並べる」という理由で続刊を出させてもらえなかったなどと言う眉唾な逸話を聞いたシリーズの第三弾です。この台詞はその作中、会議に出席するために社長室も兼ねている複合戦闘爆撃機で悠々と出かけた途中に敵襲にあった際に主人公の一人、ボギーが同社の技術陣代表の通称「とっつぁん」に漏らした台詞です。四面楚歌で援軍の期待が出来ないピンチなときこそ「こんなことも」が定石なのに「自爆装置のことか」では役に立た――
「とっつぁん」の弟子に当たる少女も同じ台詞を言う辺り、なんだかなぁ、です。

駄弁者:
 「他爆装置」なら役にたったんでしょうけど。
 しかし、敵ごと破壊する強力な自爆装置のハッタリが常套手段だった某外国SFドラマの艦長もいますので(コード0、0、0、自爆、0)あながち役にたたないわけではないのかも。



君達の種を分類しようとしていて気づいたのです、人間は実は哺乳類では無いと。この惑星の哺乳類はすべて本能的に周りの環境と自然均衡を築こうとしますが、貴方方人間は違う。一つの地域に移っては増えて増えて、増え続ける、全ての資源を消費しつくすまで。唯一つ君達が生きていく道は、別の場所へ拡散していくしかない。
このパターンをたどる生物がこの惑星上に他にもいます。何だかわかりますか?
ウイルスです。

 出典: ウォシャウスキー兄弟監督・脚本「The Matrix」(ご投稿者訳)

紹介 :gueston 様
HP :

コメント:
 字幕が見れないので自分で訳してみました。エージェント・スミスに惚れた場面です。
 なかなか屈しないモーフィアスに向かって、人間を恐竜に例えたあとに今度はウイルスと相似してみせる。
 字幕だとそっけない口調になっていると思うんですが、聞いた感じこんな風な馬鹿丁寧な感じだと思います。この慇懃無礼なところが良いんですよね。
 君らがウイルスで地球を病気にしているなら僕らは特効薬、君達は悪い奴で僕らは良い奴さ、と続くんです。1作目はモーフィアスとスミスの映画でしたね。

駄弁者:
 エージェントが特効薬なら、さしずめマトリックスはレベル4ウィルスを隔離培養したシャーレみたいなもの…?



老医者「核兵器を使えばいくら大星獣でもそりゃまぁ死ぬだろうな。そうなればこの海も死んでしまうということじゃ。魚も喰えん、貝も喰えん、泳ぐことさえ出来なくなってしまう。それでもイイのかね」
役人「仕方ないでしょうな、人間が生きていくためには」
老医者「そんなことをしていて、人間はあと何年、この地球で生きていくことが出来るんじゃろう。100年?50年?…いや、海の次に空を失えば、もう生きていくことはできんのじゃ」
若者「しかしまぁ人間の知恵は、過去何万年の間に、幾度となく見舞われた絶体絶命のピンチを切り抜けてきたんですから…」
役人「そう!」

 出典: 千束北男脚本・飯島敏宏監督「怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリアス」

紹介 :新伴仙司 様
HP :

コメント:
 大好きな『怪獣大奮戦』から、一番切ない会話です。
 人間は生きるために怪獣を次々と倒してきたけれども、その結果人間は一番大切なものを失ってきました。落日の中、若者と役人の無責任な楽観論に呆れ果てて去っていく、老医師と子供達の姿が印象的です。
 ちなみに老医師は浜村純さん、役人は小林昭二さん、その染み入るような老医師の台詞と軽薄そのものの役人口調が対照的で、台詞の切なさ、情けなさを際立たせています。

駄弁者:
 ムラマツキャップや立花のおやっさんのイメージが濃いので、そういうな軽薄なキャラを演じている像がいまいち浮かびにくかったりしますが…。
 追伸:お言葉に甘えてト書きは外させてもらいました。



「魅惑的だ」

 出典: 「スタートレック(宇宙大作戦)」(斉藤伯好訳)

紹介 :くうねるよむとぶ 様
HP :

コメント:
 この一言だけで分かる人には分かる名文句!
 やはりこの文句がまだないのは非論理的!?

駄弁者:
 元祖スタートレック(TOS)のスポック副長が、何か変わったできごと・現象に出会ったときに口にする決まり文句。ハヤカワのノヴェライズを読んでない人には、意外と分かりにくいかも…。TVシリーズでは「興味深い」と訳されていたそうです。
 原文は「Fascinating」、「魅惑的」というちょっと難しげな表現はスポックのキャラクターによく合っていたんじゃないかと思います。



体は減らなくても、心は減るのよ。

 出典: 鬼頭莫宏「ぼくらの 3」

紹介 :筒下射箱 様
HP :

コメント:
 現在も小学館の月間「IKKI」で連載されている漫画の単行本に会ったセリフです。
 物語のあらすじは本を読んで確認したほうがよいです。(何せ主人公が15人近くいるので。しかも中学生。)
 そのうちの一人の主人公が自分が今度(時間までは不明)死んでしまうことがわかり、好意を寄せていた少女を犯そうとしますが、少女の反撃にあって断念。少年は「いーじゃねぇかよ。減るもんじゃないだろ、どうせ死ぬんだ。」と言いますが、その返しに少女が言った言葉がこれです。
 やはりこの作者の作品は面白いのですが、他人に勧めるのはちょっと引けてしまいます。
でも大変衝撃的な作品なので読んでみてください。

駄弁者:
 宇宙人ココペリと出会った15人の少年少女は、巨大ロボット「ジアース」を駆る戦いに参加させられる。強大な力をもつ「ジアース」は、しかし駆動する度に操縦者の生命を奪うという制約が課せられているのだった。
 …という説明を、衝撃を受けたというご当人ではなく、読んでいない私がするのもどうかと思うのですが(ピンボケなこと言ってるかも知れないし)。
 ちなみにジョージ秋山「ザ・ムーン」がモチーフのひとつになっているそうです。



I didn't come here to tell you how this is going to end.
(この戦いの結末を言うつもりはない。)

 出典: ウォシャウスキー兄弟監督・脚本「MATRIX」

紹介 :TEAM NORTH-MOAI(R) 様
HP :

コメント:
 DVD「CONSTANTINE」(コンスタンティン)購入記念。
 この既視感一杯の映画を見終わった時、真っ先に思い浮かべたのが「マトリックス」でした。
 で、マトリックスで一番印象深いセリフがこれです。ていうか続編を考えてなかったんだな、というのが丸分かりのセリフです。
 一作目が大当たりしてしまうと続編がリクエストされてしまいます。
 上手く作れればスター・ウォーズのように大河ドラマになる(一部では「アナキン一代記」とか言われている)ようですが、スタローンのアレとか、シュワちゃんのソレとか、ヤ○ト(古いか)とか、「やらなきゃいいのに」と思える映画が一杯あります。
 「これ、どこかで見たな」と思ったことはありませんか?あなたの知らない「続編」かもしれませんよ。

駄弁者:
 最初からシリーズ化するつもりだったら、ラストでネオが空飛んだりはしなかったでしょう、多分。



ヤツには勝てない!ヤツは天才を超えるモノ…天然だっ!!

 出典: スタジオオルフェ/AIC/パイオニア制作「バトルアスリーテス大運動会」

紹介 :屋良一 様
HP :

コメント:
 地球人類の運命を賭けた「超運動会」。選び抜かれたアスリーテスの前に連敗続きの侵略者・ネリリ星人が繰り出した切り札は、主人公「神崎あかり」の母「御堂巴」だった!馬鹿笑いしながら極超音速でトラックを駆け巡る傍若無人さに「お母さん!やつらに洗脳されたのね」とショックを受けるあかり、だが、あかりの父であり巴のコーチ兼夫であったミスターミラクルは呻いた「なんてこった!昔のままだ!」そしてつづけて迷文句を叫ぶ。
 地球がネリリ星人の手で転倒させられ、文明が崩壊して以来苦節五千年、ひたすら肉体を、頭脳を、根性を鍛え続けネリリ星人の次なる魔の手に備えた歴史、その中に生きた幾百億の人生も、ただ一人の自然が生み出したミュータント「御堂巴」の前には無に等しい!と思い知っている男の絶望の叫びなのです。
 ちなみに彼はコーチとして御堂巴にスポーツを教えたのでは無く「人間」のマネを仕込んでいたらしい。

駄弁者:
 「舞台は1999年突然地軸が横倒しになり文明が崩壊して5000年後の遠未来。いまや赤道直下の砂漠の大陸となった南極から始まるれっきとしたスポ根SFコメディ」(感想掲示板より、屋良一さんのコメント)とのこと。
>天才を超えるモノ…天然
 スポ根もののパロディなのに、元ネタの常套である「努力と根性」を根底から否定してしまっているような気がするんですが。



また祖父は二十一世紀でももっとも悪名高い密輸業者のひとりだった。ナイガラヤ大瀑布をさかのぼって一キロトンの煙草を運ぶという破天荒な試みのあげく、カナダ麻薬警察との銃撃戦で命を落とすまでに、”スモーキー”・レッドストーンは少なくとも二千万人の死に責任があると見積もられている。

 出典: アーサー・C・クラーク「神の鉄槌」(小隅黎&岡田着靖史訳)

紹介 :屋良一 様
HP :

コメント:
 クラーク以外の作家だったら、このお祖父さんの話だけでもう一本小説を書く処ですよ!まったく、あの人は「アイディアを箇条書きにしただけのもの」を小説と称して、それで人を感動させることが出来るんだから…それだけで小説家としてアシモフ、ハインラインより格上に思えてしまう。

駄弁者:
 西暦2109年、未知の小惑星「カーリー」が発見される。それは、8ヶ月後に地球と衝突するコースをとっていた。この「神の鉄槌」に対し、新鋭宇宙船「ゴライアス」が派遣されるが…。映画「ディープ・インパクト」の原案となった作品とのこと。
 小惑星衝突というありがちネタより、ご投稿のヒトの話のほうが格段に面白そうなんですが…。最近の作家さんだったら小説一本どころか三部作になってしまうんじゃないかと。
 私はクラークは短編より長編のほうがずっと好きなんですが、箇条書きにされたアイディアの量と私の好感度が比例している…?



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